まめのは堂の世界

手製本の日々

モノ作りとは

こんにちは。ミニブック作家まめのはです。今日は、とても充実した一日でした。そして、モノ作りについて、改めていろいろ考えるきっかけになった一日でした。

 

わたしが作っている本は、ネットでの販売の他、こだわりのつまった本屋さんにも展示販売させてもらっています。山形県鶴岡市の銀座商店街にある“あばり”というお店です。こちらでは、様々な作家さんとコラボしてイベントも数多くされていて、とても雰囲気のある空間です。

☝️あばりさんでの本の展示販売の様子。

 

今日は、小国町という山形県の雪深いところでモノ作りを楽しんでいる方々のワークショップがありました。わたしは、羊毛をスピンドルという道具で紡いでいく体験をしたのですが、糸紡ぎは昔から憧れていたので、すごく楽しかったです。

胡桃の皮やアケビのツルで編んだ作品も並んでいました。作り方やこだわりなど、作家さんのお話に耳を傾けながら、実際に目で見て、手に触れて感触を確かめて、改めて作品の素晴らしさを感じることができました。

胡桃の皮のしなやかさに感動!全部可愛かったなぁ。

👇kegoyaさんの素敵な作品たち。

 

以前、ここあばりさんで、銅板を叩いて豆皿を作るワークショップに参加したのですが、今日はその時の講師の方と再会して、フランスに展示されたときの貴重なお話も聞くことができました。フランスの方々は、作り手さんとコミュニケーションをとり、作品の背景や作る工程、こだわりや思いを知った上で作品の魅力を感じとるのだと。わたしは、きっとそれこそがモノ作りなんだなと思いました。機械での大量生産にはない魅力を知ってもらうことで、作品が一層輝いて見えてくる。だからこそ、ただ置いておくだけでは駄目だということ、自分の作品に込めた思いを知ってもらうことが必要なんだと感じました。

☝️おりがね工房さんの素晴らしい作品たち。

 

わたしが作っている本たちも同じで、機械製本にはない手製本の魅力を多くの人たちに知ってもらいたいと思いました。物語があって、形にするために本がある。全ての工程を一人で行っているところがわたしのこだわり。けれど、一人だからこそ、こだわりすぎてしまえばそれだけコストと手間がかかり、高価になりすぎてしまう。手製本で仕上げられた本は、作品であり、アートです。それと同時に、やはり“本”なので、根底にあるのは物語だと考えています。一番は物語を楽しんでほしい。だから、こだわりすぎてしまうのもわたしの中では違うような気がしていて、たくさんの人に届けたいから、こだわるところはとことんこだわりつつも、手間と価格のバランスを考えるようにしています。

☝️まめのは堂の手製本で仕上げられた本たち。

 

それと、母がわたしにこう言ったことがありました。

「売れようが売れまいが、楽しんで作ればいいじゃない。そうやって作ったモノって、伝わるよね」

楽しみながら作る、それがわたしの一番のこだわりかもしれません。