まめのは堂の世界

手製本の日々

うれしい出来事

こんにちは。ミニブック作家まめのはです。先日、うれしい出来事がありました。息子が小学生の頃からずっとお世話になっている放課後教室に、まめのは堂の『たまご』を寄贈したところ、先生方が気に入って下さり、全種類の本をご購入いただきました。

『たまご』は、学校に馴染めず辛い思いをしていたわたしの息子に宛てた詩と物語を詰め込んだ本で、(詳しくは、以前の投稿「ミニブック『たまご』に込めた思い」をご覧下さい)放課後教室に通っている子供たちや親御さんにきっと共感してもらえると思い、贈らさせていただきました。

少し前には、読み聞かせでお世話になっている地元の小学校の図書室に、童話『チビノッポ』1巻と2巻を置いてもらいました。子供たち、読んでくれてるかな。

 

少しずつ、まめのは堂の本たちが、色んな方々の目に触れる機会が増えていて、本当に有り難いです。まだまだ作りたい本がたくさんあって、だけど花農家の仕事も忙しくなってきて、一日がもっと長ければいいのに。でもそう思えることって、幸せなことですね。

ミニブックを持ってピクニックへ出かけよう

こんにちは。ミニブック作家まめのはです。今日は、とってもいい天気。ケーキを焼いて、午後から息子と裏庭でピクニックをしました。とは言っても・・・本当は外でお茶をしたかったのですが、息子が花粉症で長くはいられないので、インスタのリール動画撮影にだけ協力してもらいました。

庭で摘んだスイセンをアンティークの花瓶に挿して、お茶とケーキを用意。そしてかごには、もちろん“まめのは堂”のミニブックたち♪

撮影はtake2で撮ったものを投稿することに。take1では、本のページをめくるのがちょっと雑だったので、もう一度撮ったのですが、今度は息子の本アピールが全面に出てしまって不自然に。後からふたりで見返して爆笑してしまいましたが、面白いのでそのまま採用しました。

撮影が終了するとすぐに撤収して、家の中でティータイムを楽しみました。

 

これからどんどん暖かくなって、ピクニック日和の日が増えそう。そんなしあわせな時間のお供に“まめのは堂”のミニブックはオススメです。

 

よかったら、下記リンクより今日の動画も見ていただけたらうれしいです。

モノ作りとは

こんにちは。ミニブック作家まめのはです。今日は、とても充実した一日でした。そして、モノ作りについて、改めていろいろ考えるきっかけになった一日でした。

 

わたしが作っている本は、ネットでの販売の他、こだわりのつまった本屋さんにも展示販売させてもらっています。山形県鶴岡市の銀座商店街にある“あばり”というお店です。こちらでは、様々な作家さんとコラボしてイベントも数多くされていて、とても雰囲気のある空間です。

☝️あばりさんでの本の展示販売の様子。

 

今日は、小国町という山形県の雪深いところでモノ作りを楽しんでいる方々のワークショップがありました。わたしは、羊毛をスピンドルという道具で紡いでいく体験をしたのですが、糸紡ぎは昔から憧れていたので、すごく楽しかったです。

胡桃の皮やアケビのツルで編んだ作品も並んでいました。作り方やこだわりなど、作家さんのお話に耳を傾けながら、実際に目で見て、手に触れて感触を確かめて、改めて作品の素晴らしさを感じることができました。

胡桃の皮のしなやかさに感動!全部可愛かったなぁ。

👇kegoyaさんの素敵な作品たち。

 

以前、ここあばりさんで、銅板を叩いて豆皿を作るワークショップに参加したのですが、今日はその時の講師の方と再会して、フランスに展示されたときの貴重なお話も聞くことができました。フランスの方々は、作り手さんとコミュニケーションをとり、作品の背景や作る工程、こだわりや思いを知った上で作品の魅力を感じとるのだと。わたしは、きっとそれこそがモノ作りなんだなと思いました。機械での大量生産にはない魅力を知ってもらうことで、作品が一層輝いて見えてくる。だからこそ、ただ置いておくだけでは駄目だということ、自分の作品に込めた思いを知ってもらうことが必要なんだと感じました。

☝️おりがね工房さんの素晴らしい作品たち。

 

わたしが作っている本たちも同じで、機械製本にはない手製本の魅力を多くの人たちに知ってもらいたいと思いました。物語があって、形にするために本がある。全ての工程を一人で行っているところがわたしのこだわり。けれど、一人だからこそ、こだわりすぎてしまえばそれだけコストと手間がかかり、高価になりすぎてしまう。手製本で仕上げられた本は、作品であり、アートです。それと同時に、やはり“本”なので、根底にあるのは物語だと考えています。一番は物語を楽しんでほしい。だから、こだわりすぎてしまうのもわたしの中では違うような気がしていて、たくさんの人に届けたいから、こだわるところはとことんこだわりつつも、手間と価格のバランスを考えるようにしています。

☝️まめのは堂の手製本で仕上げられた本たち。

 

それと、母がわたしにこう言ったことがありました。

「売れようが売れまいが、楽しんで作ればいいじゃない。そうやって作ったモノって、伝わるよね」

楽しみながら作る、それがわたしの一番のこだわりかもしれません。

ミニブック『たまご』に込めた思い

こんにちは。ミニブック作家まめのはです。今日は、手製本を始めて一番最初に完成した本『たまご』について語りたいと思います。

この本ができたきっかけは、ある息子の言葉でした・・・。

 

息子は、小さい頃から周りの子どもたちと違っているところがありました。多動と衝動性で目が離せませんでしたが、ひとつのことに夢中になると、一生懸命で、信じられないくらいの集中力を発揮して、まぶしいほどキラキラしていました。わたしは、そんな息子の個性であり特徴を受け入れていたし、もちろん大変なこともありましたが、他と違っているって素敵なことだと考えていました。

けれど、小学校に通うようになり、その特徴は、個性ではなく、障害に変化しました。理解されない環境、協調ではなく同調を重んじる環境が、彼の“特徴”を“障害”に変えてしまったように思います。

学年が上がるにつれ、息子はどんどん孤立していきました。学校に毎朝のように行き渋るようになりました。

そんなある日、迎えの車の中で、彼は言いました。

 

「ぼくは必要ないんだ」

 

涙を必死でこらえる息子のとなりで、悲しみと同時に、悔しさや怒りの感情が込み上げました。

「そんなはずない。あなたは必要だよ。少なくともわたしにとっては、大切な必要な存在だよ。そして、同じように思っている人は、たくさんいるよ」

心の中でそう繰り返しながら、わたしは家に着くと、すぐにひとつの詩を書きました。それが『しろみのきもち』です。そのうち、物語『ぞうのわすれもの』と新たな詩『きみはきみ』も生まれました。

 

教室という小さな小さな世界から一歩踏み出せば、きっと君を受け入れてくれる広い広い世界があるはず。ありのままの自分でいられる“環境”や“人”を見つけられるようにと願いを込めて、ふたつの詩とひとつの物語を綴じ込めた本、それが『たまご』です。

 

 

この本を通じて、息子と同じような思いをしている人たちの心に小さな光を灯せますように。そして、たくさんの人たちが考えるきっかけになりますように。

☝️ミニブック『たまご』の中の、創作絵本『ぞうのわすれもの』より。

 

手製本ミニブック『たまご』は、下記リンクより、まめのは堂にて販売中。

小さなアトリエ

こんにちは。ミニブック作家まめのはです。今日は、まめのは堂の小さなアトリエをご紹介したいと思います。

テーマカラーはグリーン。ここに越してきたとき、壁、天井、作り付けの棚や机に自分で色を塗りました。広さは3畳ほどで、作業テーブルが2つ置いてあります。看板猫のポッテは、わたしがここで作業していると、ふらっと現れて、さりげなく邪魔をします。なかなかのいたずら猫ですが、癒しの存在です。

☝️この窓辺は、お気に入りの場所です。天気がいいと、窓の外の椿の葉っぱを通して、光が差し込んできます。

 

アトリエになる前は、おうち図書館でした。ちょっとしたカフェスペースとしても使ってました。

息子が小さかったときは、ここで一緒に本を読んだり、友達を呼んで読み聞かせをしたりしました。息子が窓辺で夏休みの大量の宿題をしているときに、きつねを見かけたことを目をキラキラさせて話してくれて、それを題材にしてできた物語もあります。早く本にできたらいいな。

☝️いつかの大晦日。大掃除の際、手作りのはたきをホウキ代わりにして、魔女になったつもりの息子。なつかしいなぁ。

 

今はわたしの小さなお城。この場所があってよかった。たくさんの思い出がつまったお気に入りの場所で、本作りを楽しめるから。

それではまた。

ミニブック『チビノッポ』

こんにちは。ミニブック作家まめのはです。今日は、わたしの童話作りの原点とも言える『チビノッポ』について語りたいと思います。

このお話は、小さなチビくんと大きなノッポくんが出会うところから始まり、季節の移ろいとともに様々な経験をしていくなかで、ふたりがいろんな形の“なかよし”になっていく様子を描いたものです。お話は全部で21話あり、本として仕上がっているのは今の段階で2巻で、全10巻の予定です。

☝️『チビノッポ 2』の紙カバーを外したもの。布張り上製本。第1巻には3話、第2巻には2話収録。

 

『チビノッポ』は、わたしが20代前半に初めて作った物語なので、かれこれ20年以上前に誕生しました。その頃は、3話くらいだったのが、少しずつ書きためて、15年程かけて完結しました。だから、とても思い入れのある作品です。どれもショートストーリーなので、小さなお子様も飽きることなく楽しめると思います。息子が小さい頃、わたしは新しいお話ができるたびに読み聞かせていて、中でもこの『チビノッポ』は彼のお気に入りでした。同じ場面で息子がケラケラ笑うのがうれしくて、そこばかり何度も読まされても、全く苦には感じませんでした。なつかしいなぁ。

 

チビくんは、小さくて元気いっぱいだけど、実はさみしがりやだったり、あれこれ妄想をふくらませてからまわりしたり、だけどいつも一生懸命で応援したくなるようなキャラクターです。ノッポくんは、体も大きいけど心も広くて、いつもチビくんを気づかって助けてくれる、頼りになる存在です。

チビくんはどこかわたしと似ていて、わたし自身、ノッポくんのような人に常に支えられていたような気がします。だから、このふたりがとても身近に感じられて、一層愛おしく思えます。

物語が進むにつれて、陶芸家のモグラくんや、カナリアのレモン、月うさぎのユキちゃんなど、様々なキャラクターも登場します。因みに、7巻で登場予定のユキちゃんは、以前息子が羊毛フェルトで作ったうさぎがモデルになっていて、性格などは息子に寄せています。『チビノッポ』を読まれた際は、ぜひお気に入りのキャラクターを見つけてみてください。

 

ミニブック『チビノッポ』の装丁や製本へのこだわりは、また次の機会に。ではまた近いうちに。

 

まめのはの自信作『チビノッポ』は、下記のリンクより、まめのは堂にて購入できます。

 

 

はじめまして。ミニブック作家まめのはです。

ブログを書くのは久しぶりで、少しドキドキしています。まずは自己紹介を簡単にしたいと思います。わたしは山形県鶴岡市で、花農家のかたわら“まめのは”という名前で製本活動をしています。

手のひらに収まるサイズの小さな本たちを作っています👇

“まめのは”の由来は、母とドライブしていたときに見かけた小学生の小さな子供たちが、強風の中を懸命に歩いている姿を見て、「ああ、木の葉ちゃんたち飛ばされる。そういえば、あんたもあのくらいのとき、ほんとに小さくて豆みたいだったよ」と言った母の言葉を思い出して、“豆”と“木の葉”を掛け合わせたところから来ています。小さいわたしが、小さなアトリエで小さい本を作っているので、“まめのは”は、ぴったりな名前だなと自分では気に入っています。

本業の花の仕事では、主にトルコキキョウを栽培しています。

むかしは一重咲きが主流でしたが、今は改良が進んで、まるでバラのように豪華な八重咲きがほとんどです。春から秋までは、花をメインに、空いた時間で製本を楽しんでいます。冬は製本に没頭できるので、厳しい寒さも以前ほど辛くはありません。夢中になれるものがあるっていいな。

 

次回は本のことを綴りたいと思います。

 

まめのは堂の本たちは、こちらにて販売中👇

https://https://mamenohado.base.shop/

https://minne.com/@mamenohado